学生たちが発想する“はたらく”をサポートする取り組み、エデュケーションシップを実施しました!
このレポートページでは、エデュケーションシップ当日の流れや、学生たちの様子をご紹介します。
※掲載内容はすべて「エデュケーションシップ」当日時点の情報です。
全ての企画に通ずる「生活者マインド」の考え方
今回、特別講座としてコマをお借りした里山未来創造探究ゼミでは、「アシックス里山スタジアムの可能性を考える」をお題に、ファンの方が心地よく過ごし、試合のない平日でも地域の方々に活用してもらえるようなスタジアムのあり方を模索しています。
そこで、今後のゼミ活動、さらには学生たちがビジネスに携わる際の参考になるよう、今回は「人の心を動かす アイデアの生み出し方」をテーマに、3つのプログラムに分けたワークショップを実施しました。
ワークショップの冒頭、カオナビからは、ビジネスにおける良いアイデアとは「課題が解決できること」に加えて「人の心を動かすものであること」であると説明。続いて、今日覚えて帰ってほしいのはこれだけ、として「生活者マインド」についての説明がありました。
すべての企画の先には必ず、受け取り手がいます。その受け取り手、つまり生活者の興味や関心を喚起するためには、人それぞれで異なる「生活者マインド」を想定し、アイデアに結びつけることが重要です。今回のワークショップはすべて、この「生活者マインド」に基づくアイデア出しが求められました。
(ファシリテーション協力:デザインエスノグラフィ株式会社)
何気ない夏休みの体験が、アイデアの種になるまで
最初のプログラムでは、生活者の叶えたいマインドが書かれた「マインドカード」を使って、自身の生活者マインドを言語化することに。
与えられたお題は「あなたが高校1年生の夏休みに体験した最高のエピソード」。配られたマインドカードから1枚選び、カードに書かれた「〇〇したい」が叶った夏休みのエピソードを学生たちに紹介してもらいました。
最初こそ黙々とした雰囲気があったものの、ワークショップがはじまって徐々に活気を増す学生たち。今年の夏休みの体験を思い出しながら、自身の体験がどんな「生活者マインド」に紐づくのかを整理していきます。
最後に、それぞれがエピソードトークとともにマインドカードを発表。大学生や社会人も交えてさまざまな意見に触れたイベントの話(生活者マインド:ダイバーシティ)、家族でバレー日本代表の試合を応援した話(生活者マインド:チル)など、多種多様なエピソードと生活者マインドが紹介されました。
発表後はフィードバック。「自分にとって一番近い生活者は自分自身。体験を通じて、どんな想いが叶えられたのかを日常的に考えることで、アイデアが生まれやすくなる」と学生たちに伝えました。
「感情の変化」に着目すると、異なる側面が見えてくる
続く2つ目のプログラムでは、「学校帰りでも立ち寄れる今治のお気に入りスポット」がお題。どのような感情の時にそこへ行き、行った後はどのような感情に変化するのかを、ニコニコやしょんぼりといった感情のオノマトペを使って表現します。
今回はチームでディスカッション。ショッピングモール、友達のバイト先、はたまた100円均一で買える自販機など、続々と現地の名物スポットがあげられ、ワイワイと議論が進みます。
ただ、このプログラムの肝は「感情がどう変化するか」に着目すること。オノマトペがまとめられたシートを見ながら、自分の感情を付せんに書き出していきます。見慣れた場所でも、自分の感情の変化というフィルターを通して見つめ直すことで、新たな発見があったようです。
ここまでの2つのプログラムを通じて、「生活者の叶えたい気持ち」と「生活者の感情の変化」に対する意識が生まれた学生たち。それらの学びをもとに、いよいよ最後のプログラムへと移ります。
未来の企画担当者たちはどんなイベントを考える?
最後のプログラムは、このワークショップのメイン。アシックス里山スタジアムの担当者になった設定で、学生たちにスタジアムを盛り上げるための企画会議を行ってもらいました。
今回は、「誰かの最高の思い出になる非日常のイベント」と「平日午後につい行きたくなるお気に入りの場所」の2チームに分かれてのディスカッションです。
「非日常のイベント」チームでは、アイデアをざっくばらんに出すところからスタート。1つ目のプログラムで体験した、夏休みのエピソードをもとに、同様の体験をアシックス里山スタジアムで叶えるためにはどんなイベントが良いか、議論を深めていきます。
最終的には出たアイデアを年間のイベントカレンダーにまとめていくのですが、アイデア全体を一言で表すキャッチコピーに迷う学生たち。アドバイザーとして参加している今治.夢スポーツ・カオナビ社員の力も借りながら、言葉と向き合う姿が印象的でした。
一方の「お気に入りの場所」チームでは、アシックス里山スタジアムのエリアマップを見ながら、それぞれが担当するエリアを分担。アイデアが続々出てくる学生、悩みながらアイデアを絞りだす学生とそれぞれのやり方で企画を考えていきます。
このチームの場合、着目したいのは、そのエリアを訪れた人にどんな感情の変化を与えたいのか。こちらのチームでもエリアごとのアイデアは出てくるものの、全体アイデアをまとめるキャッチコピーに悩んでいる様子でした。
学生たちの若い感性が光る、ワークショップの集大成
最後にワークショップの内容発表へ。まず「非日常のイベント」チームは、「縁と出会い」をテーマに、外国人選手との英会話イベント、サバゲー、BBQイベント、結婚式など、多様な人たちが関わりあうイベントを企画。アシックス里山スタジアムを起点に、年間を通じてさまざまな出会いが生まれるスタジアムを目指すアイデアが発表されました。
続く「お気に入りの場所」チームからは、「青いあそびごころのスタジアム」をテーマに、子どもが一緒に遊べるドッグランスペース、放課後教室や児童館をコミュニケーションスペースに併設するなどのアイデアが。
テーマの「青い」には「青春を思い出す楽しさ」と「FC今治のコンセプトカラー」を掛け合わせているとのことで、気の利いたコンセプトに思わず周囲の大人たちが感心する様子も見受けられました。
発表を終え、最後にカオナビ・今治.夢スポーツの両社からフィードバックを行いました。カオナビからは、「コンセプトの考え方は、最初に決めたコンセプトに基づき個々のアイデアを考える方法はもちろん、まずは自由にアイデアを出して、そこから見える共通点を基にコンセプトを設定する方法など、さまざまなアプローチがある」「アイデアを考えるときは、なぜ?を突き詰めることが納得感につながる」と解説。
続く今治.夢スポーツからは「学生の皆さんのアイデアがスタジアムやチームに活気をもたらすので、今後も感心を持ち続けてほしい」「今だからこその若い感性を感じた。アイデアの源泉となる経験をこれからも積んでほしい」と締めくくり、全体のプログラムが終了しました。
エデュケーションシップを終えて
FC今治高校 里山校の学生たち、先生方、今治.夢スポーツ、デザインエスノグラフィなど、さまざまな方々のご協力のおかげで、今回の-shipプロジェクトも無事に終えることができました。誠にありがとうございました。
今年から新たな取り組みとしてはじめたエデュケーションシップ。実際にビジネスの現場で企画業務を行う大人たちから、実践的なアイデアのヒントをお伝えすることで、学生たちの“はたらく”に対する意識がより高まる機会になったのではないかと感じています。
実施後のアンケートでは「自分一人ではできないけど、大人や同級生と協力することで、新たな視点の気付きが得られた」「自分の軸だけでなく、相手の軸で考えたり、社会の軸で考えたりする生活者マインドを学んだ」などの声があげられました。
また後日、「未来の里山スタジアム設計図」と題して、ワークショップで出たアイデアをもとにしたイラストをカオナビで作成。アウトプットとして形に残すことで、学生たちのアイデアを具体的な設計図として昇華することができました。
今後もエデュケーションシップの取り組みをはじめ、あらゆる◯◯-shipな取り組みを展開していく予定です。乞うご期待ください!