リモートワークが「働きやすい派」は、約半数となる45.0%
メリットは「通勤時間の削減」、デメリットは「社内コミュニケーションの不足」
HRテクノロジー業界を牽引する株式会社カオナビ(本社 東京都港区、代表取締役社長 CEO 柳橋 仁機)の研究機関「カオナビHRテクノロジー総研」(以下「当総研」)は、「リモートワーク」についての実態調査を実施しています。現在リモートワークを行っている人の声から、リモートワークの「今」と「未来」を考察します。
今回は、調査レポートの第二弾として「リモートワーカーが何を感じているのか」に焦点を当て、当総研 研究員の齊藤による考察とともに、リモートワーク浸透の現状を報告します。
(調査結果詳細URL: https://ri.kaonavi.jp/20200610/ )
調査結果
調査結果①:約半数となる45.0%がリモートワークは「働きやすい」と回答
調査結果②:「生産性向上派」は18.3%であったが、「特に変わらない派」は43.7%という結果に
調査結果③:最大のメリットは通勤時間の削減に起因する「時間のゆとり」や「疲労感の軽減」
調査結果④:不満の上位は「社内コミュニケーションの不足」や「セルフマネジメントの難しさ」
調査結果⑤:部下よりも上司の方が「働きやすさ」や「生産性」に対してネガティブな評価に
調査結果⑥:共通する不満もある一方、部下は「業務の効率化」、上司は「コミュニケーションの円滑化」が不満の焦点に
本調査実施の背景
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレワーク、在宅勤務、リモートワーク等の「出社をしない」働き方(以降、すべての働き方を含めて「リモートワーク」とします)を始めた方も多いのではないでしょうか。そこで当総研では、リモートワークについての実態調査を実施しました。
アンケート調査概要
- 調査対象:20代~60代の自由業を除く、かつ従業員数10名以上の会社に勤めている「毎日リモートワーク」 もしくは「週に2~3日出社し、その他はリモートワーク」をしている人 300名
- 調査期間:2020年5月1日(金)~2020年5月7日(木)
- 調査内容:
①Web上でリモートワークについての質問項目に、選択・記述式で回答
②結果の集計・分析:回答結果を集計し、差異や傾向を抽出(レポート中にとりあげている2群の差異[図5および図6]はt検定で有意を検出したものです)
調査結果①:約半数となる45.0%がリモートワークは「働きやすい」と回答
【結果】<SA><n=300>
「働きやすい派」は45.0%(「非常に働きやすい」13.7%+「働きやすい」31.3%)で、約半数がリモートワークの働きやすさを実感している結果となりました。一方で、「働きづらい派」は25.7%(「働きづらい」19.7%+「非常に働きづらい」6.0%)となり、約4人に1人はリモートワークでは「働きづらい」と感じていることがわかりました。
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、多くの企業が急ピッチでリモートワークを開始したにも関わらず、リモートワークは比較的多くの人に「働きやすい」と感じられるものであると言えそうです。
調査結果②:「生産性向上派」は18.3%であったが、「特に変わらない派」は43.7%という結果に
【結果】<SA><n=300>
リモートワークでの自身の生産性については、通常の勤務時と比較し、「生産性向上派」は18.3%(「非常に上がった」3.0%+「上がった」15.3%)になりました。反対に「生産性低下派」は38.0%(「下がった」27.7%+「非常に下がった」10.3%)となっています。
生産性については、通常の勤務時と比較しても「特に変わらない」と答えた人が43.7%と最も多い結果となりました。しかしながら「働きやすさ」と比較すると、ネガティブに評価する人が多くなっており、リモートワークにおける大きな懸念といえるでしょう。
調査結果③:最大のメリットは通勤時間の削減に起因する「時間のゆとり」や「疲労感の軽減」
【結果】<MA><n=300>
リモートワークの最大のメリットは、「通勤時間がなくなり、時間のゆとりが持てるようになった(58.7%)」が最多で、次いで「通勤や移動が減り、疲労が減った(48.7%)」となり、「時間のゆとり」や「疲労感の軽減」を実感しているようです。
次いで、「会議等の無駄なコミュニケーションが減った、もしくは減りそう(31.0%)」「人間関係のストレスから解放された(25.7%)」となっており、日々のコミュニケーションにおいても、メリットを感じる人が多くみられました。
調査結果④:不満の上位は「社内コミュニケーションの不足」や「セルフマネジメントの難しさ」
【結果】<MA><n=300>
不満として上位に挙がったのは「社内の人とのちょっとした相談・雑談がしづらい(43.3%)」をはじめ、「仕事とプライベートの境が曖昧になる(39.7%)」「体調管理の難しさ」といった「セルフマネジメントがしづらい」も上位に挙がりました。
通勤や移動が減ることで時間に余裕ができたが、その時間の使い方をセルフマネジメントする必要性が、リモートワークの状況下では生まれているようです。
調査結果⑤:部下よりも上司の方が「働きやすさ」や「生産性」に対してネガティブな評価に
【結果】<MA><n=300>
今回の調査では、回答者の属性のうち、回答に大きなギャップがあったのは「部下がいるか、いないか」でした。
部下(部下なし群)よりも上司(部下あり群)の方が「働きづらい派」が多く、また、「生産性低下派」も上司の方が多い結果となりました。
調査結果⑥:共通する不満もある一方、部下は「業務の効率化」、上司は「コミュニケーションの円滑化」が不満の焦点に
【結果】<MA><n=300>
リモートワークで感じる不満点の上位は、「社内
の人とのちょっとした相談・雑談がしづらい」
「仕事とプライベートの境が曖昧になる」「業務や仕事の進捗が分かりづらい」という3点がどちらも上位に挙がりました。
一方で、その他の上位を見ると、部下は「自分の業務がいかに効率的にできるか」、上司は「社内外でコミュニケーションをいかに円滑にとるか」に焦点があたっているようです。これらの傾向は、リモートワークにおける「マネジメントの難しさ」がうかがえる結果となりました。
本調査結果を踏まえた考察「リモートワーカーが感じる生産性低下の原因とは?」
カオナビHRテクノロジー総研 研究員・齊藤直子による考察
これまでの結果も踏まえ、リモートワークにおける「個人の生産性の低下」は大きな懸念の一つとなっています。多くの人が不満に挙げた「社内の人とのちょっとした相談・雑談がしづらい」という点が、生産性低下の要因の一つになっていることは、恐らく間違いありません。このような「非公式のコミュニケーション」をどのようにリモートワーク下で再現するか、以下のような方策が効果的であると考えます。
- 非公式のコミュニケーションをオンラインで再現する:
チャットツールに雑談を促す質問botを導入する、オンライン飲み会、など - 非公式のコミュニケーションで済んでいたものを公式化する:
業務進捗の共有を高頻度な定例会議にする、OJTで教えていたことを研修やナレッジマネジメントツールで代替する、など - コミュニケーションを取らなくともできる業務範囲を拡張する:
ワークフローの整理とシステムの導入、役割や職務の整理とシステムの導入、など
今回は「リモートワーカーが何を感じているのか」という切り口で、リモートワークの働きやすさや生産性、メリットやデメリットを確認し、その理由について考察しました。第三弾では、リモートワークの今後の課題やそのためのソリューションなど「リモートワークの未来」を考察し発表します。(公開予定日:2020年6月24日)
カオナビHRテクノロジー総研について
カオナビHRテクノロジー総研
2017年12月
- HRテクノロジー(IT、新技術を用いた人事・組織施策)
- ピープルアナリティクス(人材データの分析・活用)
- 組織・人事課題の解決
- 「HRテクノロジー」「ピープルアナリティクス」における調査・研究およびレポート等による情報発信
- 人事・組織に関する調査・研究・情報発信
- 産学連携による共同研究
内田 壮
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株式会社カオナビについて
株式会社カオナビは、企業の人材情報をクラウド上で一元管理できる人材マネジメントシステム『カオナビ』を提供しています。社員の顔や名前、経験、評価、スキル、才能などの人材情報を可視化することで、最適な人材配置や抜擢といった人材マネジメントをサポートしています。今後も、人材マネジメントのプラットフォームとして、日本の「働き方」を変えていきたいと考えています。
所在地 : 東京都港区元赤坂1-2-7 AKASAKA K-TOWER 5F
設 立 : 2008年5月27日
資本金 : 10億1,827万円 ※2020年3月末時点
代表者 : 代表取締役社長 CEO 柳橋仁機
事業内容: クラウド人材管理システム『カオナビ』の開発・販売・サポート
会社HP: https://corp.kaonavi.jp/
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