カルチャー 創業者インタビュー Culture

「マネジメントを変えたい」
プロダクトという形の提案

企業の人事部門の役割は何でしょうか。給与計算?勤怠管理?それは一昔前のお話です。今必要なのは、マネジメントを変える”攻めの”戦略的な人材管理。

カオナビは、社員の情報を顔写真に紐づけて管理するクラウド型人材管理システムを開発。以来、業績を毎年2倍以上成長させ、シェアNo.1(※)を獲得しています。

なぜ、このプロダクトが生まれたのか? カオナビはどのような使命を持っているのか? 社長の柳橋仁機と副社長の佐藤寛之に、企業のミッションやビジョンについて社長室の内田が聞きました。

(以下、質問はすべて内田によるものです)

※ITR「ITR Market View:人事・人材管理市場2018」人材管理市場:ベンダー別売上金額シェアで3年連続1位(2015〜2017年度予測)
  • 柳橋仁機 代表取締役社長 CEO

    東京理科大学大学院修了後、アクセンチュア、アイスタイルなどを経てカオナビを設立。

  • 佐藤寛之 取締役副社長 COO

    上智大学法学部法律学科卒業後、リンクアンドモチベーション、シンプレクスを経てカオナビに参画。

人事情報をオープンに

『カオナビ』の開発背景を教えてください。

柳橋

私はカオナビを立ち上げる前、人事コンサルタントをしていました。そこで目にしたのは、営業部長が「新しく入社した人の書類をくれ」と人事部に来て、人事部長がその人の履歴書を「明日返してね」と渡す光景です。現場から見たらダメですよね。人事部はいいとしても、新人の配属先の上司が、目の前にいるその人物の経歴をすぐに確認することができない。これでは組織は活性化しません。

人事情報を人事部が閉じているのはまったく意味のないことだと私は思っています。

世の中には、給与管理などの計算ソフトはたくさん出ているし、アウトソーシングできる会社もある。その一方で採用、育成、配置などをシステム化する製品は当時は全然出ていなかったんです。需要はあるはずなのになぜだろう。これは事業にするしかないな、と決意して作ったのが『カオナビ』です。

佐藤

私は前職で人事の仕事をしていたのですが、同じことを考えていました。給与計算や勤怠管理などの労務管理が人事の本来の仕事ではないはずだと。本当に必要なのは企業を成長させるための、「経営」の仕事。そしてそれは人事部のみが行う仕事ではなく、現場のマネジメント層ができる環境をつくるべきだと。

そんなときに柳橋と出会い、『カオナビ』を共につくることになったのです。

企業側にはすぐに受け入れられましたか。

柳橋

我々がしていることは何かの突破口を開こうということではなく、ごく自然なことです。「クローズドをオープンに」ということ。情報・データというものは、みんなが使えるほうが価値が高まります。このシンプルな考え方さえ説明すれば、すぐに受け入れられました。

佐藤

さすがに最初はこの考えを理解してもらえないこともありましたが、今は当たり前のように支持していただけています。

営業に行くと、社長室に全社員の顔写真が貼ってある企業があります。『これをシステム化しませんか?』というと、すぐに話が通ります。「人事情報を『カオナビ』でオープンにしてください。現場の部長も部下の顔と名前が一致してマネジメントもしやすくなりますよ」と話すと、「そうだよね。できるよね」となるのです。

経営やマネジメントは、社員個人の細かいデータよりも「誰だっけ?」と顔を思い浮かべるところから入るので、「このようなツールを待っていたんだよ」と言っていただけました。

柳橋

人事に関してはクローズドにしなければいけないことと、オープンにしなければならないことに分かれますね。

情報をオープンにするためにはクラウドが適しています。クラウドで人材情報を共有すれば、北海道支社や沖縄支社にいる部長も出先にいてもスマートフォンで情報が見られます。クラウドでオープンにしたほうがいいというのは技術的合理性があるのです。

競合のいないブルーオーシャン市場

スタートからニーズをつかんでいたのですね。

柳橋

潜在的なニーズはつかんでいましたが、プロダクトには買い手が飛びつきたくなるフックが必要です。ビジネスモデルや社名、商品名ではなく、引っ掛かりのいいフックをつけないと覚えてもらえないと思いました。カオナビの場合は、「顔写真のアレ」ということでいこうと思ったのです。「顔写真並べるやつでしょ」と。

佐藤

人件費というコスト管理を効率化するツールが多数存在するなか、「人材管理システムでマネジメントを変えましょう」とうたうことで導入企業は増えていきました。さらに昨今の「働き方改革」により、やらなければいけない意識が醸成され急速に市場が広がっています。

課題を示すプロダクトビジネス

ほかに日本の人事管理に特徴はありますか?

佐藤

米国と比較すると、米国は人がたくさんいますが、日本はそうではありません。米国は優秀な人材を選んで採用してきましたが、日本は雇用した人材を何とか活用したい、という側面があります。

さらに、企業の規模によっても違いがありますね。大企業の人事部は大量のエントリーから「選ぶ」という姿勢です。入った後は、終身雇用で一生働いてもらう。一方、ベンチャーはせっかく入ってくれた人材、かつ離職も多いなか、どのように今いる人材やチームで企業を成長させていくかを必死に考えます。柳橋や私もベンチャーにいた経験が長かったからこそ、早くにこのニーズに気づいたのかもしれません。

柳橋

現有人材を活用したいというのは日本の特徴ですね。米国は「獲得競争」だけ、日本は「やりくり」、という意識が強くあります。その点からいうと、退職者を含む人材管理が当然必要になる。人事という世界がマーケティング化していくのです。採用候補者を連れてくるところからはじまり、退職後もゆるいつながりを維持して中長期的に協業なり再就職するまでのリレーションシップマネジメントを行うのが、人事の仕事になるのではないかと思います。

マネジメントをさらに変える仕組みへ

今後の展開はどのように考えていますか?

柳橋

次は、『カオナビ』を入れたら企業がよりパワーアップしていく仕組みを考えています。

例えば、異動先の上司はその人物の職歴・実績が知りたい。何をしてきた、何ができる。それをオートマティックにすることが必要だと思っています。と言いますか、そうでなければいけません。我々はプロダクトを通じて、それを実現したいと思っています。

佐藤

「プロダクトは開発が作っている」と誤解されることがよくありますが、そうではありません。開発、営業、サポートなどすべての工程に関わるメンバー全員でプロダクトを生み出しています。売りは「技術」ではなく、「プロダクト」です。そして、このプロダクトを通じて、「シンプルな仕組みで、世の中をちょっと前へ。」というミッションを実現するべく、さらなる成長を遂げていきたいと思います。

柳橋

プロダクト自体が世の中に対する提案でありたいですね。人事領域は特殊ですが、実は課題は数パターンしかありません。プロダクトを通じてそれらの課題に対し提案できていることに誇りを感じていますし、その意義を社員にも理解してほしい。顧客の言うことに対応するのではなく、導入いただくことで「マネジメントが変わるプラットフォーム」を提供することがわたしたちのビジョンです。

プロダクトビジネスであることの誇り

どのような人材を求めていますか?

佐藤

当社は完全自社開発プロダクトなため、製販一体の組織体制です。任せたい仕事はマーケティング、サポート、営業、技術などプロダクトビジネスにかかわるあらゆる分野です。

当社のカルチャーは行動指針である「バリュー」で表現しています。この考え方に共感いただける方とご一緒したいですね。

柳橋

「プロダクトは開発が作っている」と誤解されることがよくありますが、そうではありません。開発、営業、サポートなどすべての工程に関わるメンバー全員でプロダクトを生み出しています。売りは「技術」ではなく、「プロダクト」です。そして、このプロダクトを通じて、「シンプルな仕組みで、世の中をちょっと前へ。」というミッションを実現するべく、さらなる成長を遂げていきたいと思います。